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何故、彼らが奉仕部に来たのか誰も知らない。2
彼と彼女の告白は誰にも届かない。3
静かに、雪ノ下雪乃は決意する。4
そして、由比ヶ浜結衣は宣言する。5
その部屋には、紅茶の香りはもうしない。6
つつがなく、会議は踊り、されど進まず。7
されど、その部屋は終わらぬ日常を演じ続ける。8
それでも、比企谷八幡は。9
そして、雪ノ下雪乃は。10
それぞれの、掌の中の灯が照らすものは。11
いつでも、葉山隼人は期待に応えている。12
未だ、彼の求める答えには手が届かず、本物はまちがい続ける。13
春は、降り積もる雪の下にて結われ、芽吹き始める。